和の意匠にみる文様の名の物語

『デザイン集としても言葉の玉手箱としても・・・』
 出版社は淡交社ある。茶道のたしなみがある人にとっては必須アイテムの本であろう。特に写真は着物が多いので、柄の勉強集の感もある。もちろん、純粋に文様集・デザイン集としても楽しめるし、文様にまつわる言葉・語句の解説集としても楽しめる。何しろ、一つ一つの文様が出来上がった背景、由来、意味、類似・仲間の文様、言及すべき事柄は数多くある。だから、物語と銘打った限りは、もう少し内容に工夫すべきではないかと残念な部分が多い。言葉足らずというか説明不足というか、単純に紙数が限られていたからばかりではない恨みがある。
 
 印象付けるために見開き右ページ全面を写真にし、左ページを解説にしたのだろうが、たくさんの言葉が例示されているだけに、その文様を実際に見ることが出来ないので欲求不満が残った。まあ、純粋な図案集ではないから仕方がないと言われればそれまでなのだが、門外漢にとっては、もう少し写真が欲しかったところだ。

 しかし、お茶の先生が生徒に、着物を中心に日本文化のうんちくを、優しく披露してくれているといった雰囲気にとらえれば、堅苦しくない1冊である。



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