江戸の弾左衛門―被差別民衆に君臨した“頭”

『読みやすくコンパクト』
時代劇ではほとんど取り上げられない裏社会を取り仕切った弾左衛門。
その行列や屋敷は町奉行に近かったということからもその権力の大きさをうかがい知れる。

主に皮革を扱っていた集団であったが(皮革は戦国時代軽量で珍重されたよろいだった)江戸時代も落ち着いてくると治安対策の仕事が主になってくる。下級警察業務をしながら御仕置役を命じられることで、民衆の憎悪をかきたて厳しい差別へと追いやられる。その後一大勢力となった非人頭と対立、その戦いにも勝利し彼らも支配に組み込み、関八州一帯にまでその力は及んだ。

史実に基づいて書かれているので、読み物としての面白みには少し欠けるが、その実態をコンパクトにまとめてあり、かつ古文書は全て現代語に訳して書かれてあるので非常に読みやすい。
現代とつながっていながらあまり触れられない話題をボリュームも手ごろにまとめた歴史入門書としてお勧めです。



和書・雑誌・コミック
Copy right(C)2007
モバイル殿様辞典
All Right Reserved
↓広告↓